どしゃ降りでもカッパ着て行くのだ

64歳のアルバイト生活(ブログ名変更考察中)

黄泉の国 イザナミとの戦い

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イザナギ、妻を追いかけ黄泉の国に行く

イザナギは妻恋しくて、我慢しきれず、ついに黄泉の国までやってきます。

「黄泉」というのは地下の泉のことで、死者の国をさすそうです。「黄泉」は中国から来た思想で、もともとヤマトの言葉としてあった「ヨミ」という言葉に当てはめたといわれています。普通に読めば「ヨミ」とは読めませんよね。

漢語としての「黄泉」

古代の中国人は、地下に死者の世界があると考え、そこを黄泉と呼んだ。黄は五行説で「土」を表象しているので、もともとは地下を指したもので、死後の世界という意味ではなかったが、後に死後の世界という意味が加わった。現代中国語でも死後の世界の意味で日常的に用いられている。

黄泉 - Wikipedia 2018年12月18日15時30分

イザナミは墓の扉を開けてこう叫びます。

愛(うつく)しき我(あ)が汝妹(なにも)の命、吾と汝と作れる国、いまだ作り竟(お)へずあれば、還りまさね

愛しい我が妻よ、共に作っていた国はいまだ完成してはいない、我と帰っておくれ。

 イザナギはイザナミの墓を暴いてしまったのです。

 

イザナミ、ヨモツヘグイしてしまう

イザナギが妻の墓を暴いたのは、現実のことかもしれません。

死者であるイザナミが返答します。これは長いセリフなので簡単に書きますと、

「なんで、もっと早く来てくれなかったの。私はこの国の食べ物を食べて、死者になってしまったの。でも、神さまに頼んでみるから、待っていてください。それ以上入ってこないでね。それから、絶対に私のことを覗いたりしてはダメですよ。」

 全然簡単じゃないですね。

ヨモツヘグイというのは有名な言葉で、「黄泉戸喫」と書きます。死者の国の釜(戸)で炊いた飯をたべると現世には戻れなくなるということなのです。

古代では埋葬と共にお供えとして、食料を共に埋めたようです。

生物は命をなくした瞬間から腐乱が始まります。人間も同じことです。腐乱した遺体が蘇ることがあってはいけないのです。共に埋められた食料を食べたのだから、帰ってこないでというような意味合いでしょうか。

 

イザナギ、待ちきれないで妻を覗く

 待てと言われて待てないのが馬鹿な男の習性でしょうか。イザナギは待ちきれずにイザナミの姿を求めて墓に入ってしまったのです。

そこには、かつての麗しい妻の姿はなく、腐乱して横たわる妻の遺骸があるのでした。

妻の遺骸には蛆が湧き、八柱の雷神がとり付いていました。

腰を抜かさんばかりに驚いたイザナギは転ぶように逃げ帰ります。

収まらないのはイザナミです。怒髪天を衝くとはこのことでしょう。

「我に恥をかかせたな!」

と、怒り狂うのです。まあ、イザナギが悪いですよね。

あれだけ愛し合ったイザナギとイザナミですが、ここからは180度転回し諍いを始めます。逃げ帰るイザナギと、追いかけるイザナミの戦いです。

 

イザナミ、追っ手を送り込む

恥を掻かされ、怒り心頭に達したイザナミは、逃げ帰るイザナギに追っ手を差し向けます。この追っ手は黄泉醜女と呼ばれる、黄泉の国のバケモノ女です。

黄泉醜女(よもつしこめ)は、日本神話に伝わる黄泉の鬼女。予母都志許売とも呼ばれる。

恐ろしい顔をしており、一飛びで千里(約4,000キロメートル)を走る足を持つ。イザナミが自分との約束を破って逃げ出したイザナギを捕まえるため、黄泉醜女にイザナギを追わせた。イザナギは蔓草で出来た髪飾りを投げつけたところ、そこから山葡萄の実が生えた。黄泉醜女はそれに食いつくも、食べ終わると再びイザナギを追いかけた。次にイザナギは右の角髪から湯津津間櫛(ゆつつなくし)を取り、その歯を折って投げた。すると今度はタケノコが生えてきて、黄泉醜女はまたそれに食いついた。その間に、イザナギは黄泉醜女から逃げ切ったという。

黄泉醜女 - Wikipedia 2018年12月18日18時15分

黄泉醜女との攻防は上記に全て書かれていますのではしょります。

かろうじてイザナギは逃げ切りますが、イザナミは、次なる追っ手を差し向けます。

次の追っ手は、イザナミの遺骸に取り付いていた8柱の雷神です。イザナミは雷神に1500の軍勢を従わせ、イザナギを追います。

イザナギは十拳の剣を抜きます。

「後手(しりて)に振(ふ)きつつ逃げきませるを」

これはただ単に、後から迫り来る敵を剣で振り払いながら逃げるということでしょうか。それとも、何らかの呪術なのでしょうか。

これまでは十拳の剣による呪術かと思っていたのですが、この流れなら、単に振り払いながら逃走したということのようです。

 

イザナギ、最終兵器桃の実を投げる

イザナギは黄泉比良坂の坂本まで逃げてきた時に、そこに生っていた桃の実を3つ手にし、投げつけることで、追っ手を追い払います。

桃は中国では仙木で、邪気を払う呪力を持つ果実です。

桃は最終兵器であったわけです。それほど呪力の強いものとされています。

黄泉比良坂(よもつひらさか)は黄泉の国と現世との境にある坂です。坂本というのはその坂の端ということでしょうか。そこに神の木たる桃の木が生えていてのです。

イザナギは追っ手を退けた功績として、

「お前は私を助けたように、葦原の中つ国に生きている人々がつらい目にあっていたり、苦しんでいるときには助けてあげなさい。」

と言って、意富加牟豆美命(おおかむづみのみこと)という神名を与えます。

 

イザナミ、自ら追っ手となる

 ラスボス、イザナミの登場です。

全ての軍勢を退けられたイザナミは、自ら乗り出し、イザナギを追います。イザナギは黄泉比良坂の中央に千引きの石を引き出し道を塞ぎます。千引きの石は千人の力で引くことのできる石のことです。でかい石ですね。

道を塞がれたイザナミは石を挟んでイザナギと向かい合います。イザナギはここで、事戸を渡します。事戸を渡す(ことどをわたす)とは、離縁を申し渡すいうことです。

道を塞がれ、離縁を言い渡されたイザナミは、

「あなたの国の民を、1日に千人殺しましょう。」

と言います。これに対して、イザナギは、

「それでは、私の国の民を、1日に千五百人生むこととしよう。」

と言い返します。

これにより、現世は1日に千人が死に、千五百人が生まれることとなりました。

 

戦いの終結

最後にイザナミに神名をつけます。その名は、黄泉津大神(よもつおおかみ)。イザナミは黄泉の国の女王となったのです。

そしてイザナミはもう一つ名を得ます。道敷の大神(みちしきのおおかみ)という神名です。道路を追いかける神との注釈がありますが、よそ者を追い出すみたいな意味でしょうか。よくわかりません。

黄泉比良坂の道を塞いだ千引きの石も神名をもらいます。道反の大神(ちかへしのおおかみ)と黄泉戸の大神(よみどのおおかみ)です。前者は道を塞ぎ、追い返すと言う意味、後者は道を塞ぎ遮るという意味でしょう。どちらもよそ者を退けるものです。

黄泉比良坂の現在の名ですが、出雲の国の伊賦夜坂(いふやざか)というそうです。

 

黄泉の国の段のまとめ

黄泉比良坂を逃げてくるのですから、坂道を下ってくるのだと思います。黄泉の国はただの地下の国ではなくて、高いところにある地下の国であるようです。つまり、平野ではなくて、山岳部の可能性が大です。

伊賦夜坂(いふやざか)は島根県松江市東出雲町揖屋というところにあるようです。出雲が伊の国の沿岸部(伊つ面)を指すとしている当ブログの解釈ですが、現出雲の伝説や地名は伊の国よりの入植者によって、後に構成されたものであると・・・しておきます。苦しい。