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64歳のアルバイト生活(ブログ名変更考察中)

大宜都比売は最多出演

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粟の国のオオゲツヒメ

先に大宜都比売のことを書いたので、ここから少し調べてみました。大宜都比売は古事記or日本書紀に出てくる神様としては最も出てくる回数の多い神様だと聞いたことがあります。うろ覚えでは7回とか。たぶん間違っているとは思うのですが、古事記も日本書紀もろくに呼んだことのない私ですので、少し勉強してみたいと思います。何しろ粟の国の神様ですから。 

大宜都比売

  •  オホゲツヒメ
  • オオゲツヒメノカミ
  • 大宜都比売、
  • 大気都比売神
  • 大宜津比売神、
  • 大気津比売神

 

 国生みの段

次に、伊予の二名(ふたな)の島を生みたまひき。この島は身一つにして面四つあり。面ごとに名あり。かれ伊予の国を愛比売(えひめ)といひ、讃岐の国を飯依比古(いいよりひこ)といひ、粟(あわ)の国を、大宜都比売(おほげつひめ)といひ、土左(とさ)の国を建依別(たけよりわけ)といふ。

面四つと有りますが、面とは顔ことのようです。 

  • 伊予の国を愛比売(えひめ)
  • 讃岐の国を飯依比古(いいよりひこ)
  • 粟(あわ)の国を、大宜都比売(おほげつひめ)
  • 土左(とさ)の国を建依別(たけよりわけ)

この後、大宜都比売は何度か登場するわけですが、愛比売、飯依比古、建依別は登場しないと思います(?)つまり、大宜都比売は他の神さまよりも重要な神さまで、日本国の成り立ちにも大いにかかわりがあると思われます。

 

神生みの段

次に、大宜都比売(おほげつひめ)の神を生みたまひ、

 次に、火(ほ)の夜芸速男(やぎはやお)の神を生みたまひき。またの名は火(ほ)の炫毘古(かがやびこ)の神といひ、またの名は火(ほ)の迦具土(かぐつち)の神といふ。 

国生みの後、伊耶那岐命と伊耶那美命は神さまを数多く生みます。その中にも大宜都比売は登場します。伊耶那美命は火之迦具土神を産んだ後、死んでしまいますから、大宜都比売は伊耶那岐命と伊耶那美命の性行為によって生まれた最後から2番目の子になります。火之迦具土神は怒り狂った伊耶那岐命に切り殺されますので、実質は最後の子になります。 

大宜都比売の誕生までうまくいっていた国づくりが、火之迦具土神という神(内紛?)によって終焉を迎えたととることができそうです。この後、伊耶那岐命は伊耶那美命と修復を図ろうとしますが失敗します。傷心の伊耶那岐命は新たな神として、天照大御神、月読命、建速須佐之男命を産み、新たな世代へと引き継いでいく・・・と。

 

大宜都比売 速須佐之男命に殺される

又食物を大気津比売神に乞ひき。爾に大気津比売、鼻口及尻より、種種の味物を取り出して、種種作り具へて進る時に、速須佐之男命、其の態を立ち伺ひて、穢汚して奉進ると為ひて、乃ち其の大宜都比売神を殺しき。 

高天原を追い出された速須佐之男命は大宜都比売に食べ物分けてくれるようお願いしました。快く大宜都比売はもてなすのですが、その様子は、鼻口尻より食べ物を出して、調理して速須佐之男命に出したのです。速須佐之男命は汚いと激怒して大宜都比売を殺してしまいました。 

故かれ、殺さえたまへる神の身に生なれる物は、頭かしらに蚕かひこ生り、二つの目に稲種いなだね生り、二つの耳に粟あは生り、鼻に小豆あづき生り、陰ほとに麦生り、尻に大豆まめ生りき。故、是に神産巣日御祖命(かみむすびのみおやの)、茲これを取らしめて種と成したまひき。

殺された大宜都比売の身体からは様々な農産物が生まれます。 

  • 頭からは蚕
  • 目からは稲
  • 耳からは粟
  • 鼻からは小豆
  • 陰部からは麦
  • 尻からは大豆

 神産巣日御祖命(かみむすびのみおやの)が種子をとったとありますので、大宜都比売を殺した後、速須佐之男命は立ち去ったのでしょう。大宜都比売は上記のこと故、養蚕と五穀の神として祭られています。 

日本書紀においては、速須佐之男命が月読命、大宜都比売が保食神(うけもちのかみ)に置き換えられています。その亡骸から生まれてくるものも多少違います。天照大御神の命で様子を見に行った天熊人(あめのくまひと)が亡骸を発見し、蚕や種子を持ち帰ると、天照大御神は民が生きていくのに大切なものだと大変喜んだそうです。 

  • 頭から牛馬
  • 額から粟
  • 眉から蚕
  • 目から稗
  • 腹から稲
  • 陰部から麦・大豆・小豆

以上のことにより、大宜都比売と保食神は同一神とも言われています。また、同じ食物神である宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)とも同一神と考えられています。つまり、稲荷神社には大宜都比売が祭られていることもあるのです。 

これで大宜都比売は3回登場しましたね。大宜都比売は神話においてかなり重要なポジションにあるということです。この後の登場はまた日を改めて調べたいと思います。・・・疲れた。

 

上記の続きです。2018年6月7日

ハヤマトノカミ(羽山戸神)がオオゲツヒメの夫

スサノオノに殺されたはずのオオゲツヒメ(大宜都比売)ですが、後に結婚します。相手はハヤマトノカミ(羽山戸神)という神様です。ハヤマトノカミはオオトシノカミ(大年神)とアメチカルミゾヒメ(天知迦流美豆比賣)の子。オオトシノカミはスサノヲと大山津見の娘カムオホイチ姫の子になります。オホゲツヒメ(大気都比賣神)は自分を殺したスサノオの孫にあたるハヤマトノカミと結婚したのです。 

  • オオトシノカミ スサノヲと大山津見の娘カムオホイチ姫の子
  • ハヤマトノカミ オオトシノカミとアメチカルミゾヒメの子

イザナミ、イザナギの子であるオオゲツヒメと、イザナギの鼻から生まれたスサノオは、姉弟にあたります。(少なくとも父は同じ)その姉たるオオゲツヒメとスサノオの孫にあたるハヤマトノカミが結婚するのは無理があると思います。しかも子どももたくさん儲けています。殺されたオオゲツヒメとハヤマトノカミと結婚したオオゲツヒメは同一人物なのでしょうか? 

同一神ではないという解釈が多いようです。

 

「又」について

食物を大気津比売神に乞ひき。爾に大気津比売、鼻口及尻より、種種の味物を取り出して、種種作り具へて進る時に、速須佐之男命、其の態を立ち伺ひて、穢汚して奉進ると為ひて、乃ち其の大宜都比売神を殺しき。

スサノオにオオゲツヒメは殺されるわけですが、高天原で大暴れするスサノオの物語と、ヤマタノオロチを退治する物語、2大スペクタル巨編の間に挟まれた物語としては、あまりに簡素な小エピソードに見えるオオゲツヒメの物語。ただ、もてなし、穢いと殺されるだけです。 

「又食物を大気津比売神に乞ひき。」の「又」ですが、高天原からの追放の後、唐突に「又」から始まるオオゲツヒメ殺しの一文。短い文です。この「又」は何の「又」なんでしょうか。無理やり挟み込んだ一文のように見えますが、この「又」の前に何か抹殺された物語があったように思えてなりません。当初は存在した物語に続いて「又食物を大気津比売神に乞ひき。」と始めるのではないかと思えるのです。

 

ハイヌウェレ型神話

オオゲツヒメの死体から五穀が生まれる話は、ハイヌウェレ型神話と呼ばれています。世界各地に見られる食物起源神話の型式の一つです。 

インドネシア・セラム島のヴェマーレ族の神話

 ココヤシの花から生まれたハイヌウェレという少女は、様々な宝物を大便として排出することができた。あるとき、踊りを舞いながらその宝物を村人に配ったところ、村人たちは気味悪がって彼女を生き埋めにして殺してしまった。ハイヌウェレの父親は、掘り出した死体を切り刻んであちこちに埋めた。すると、彼女の死体からは様々な種類の芋が発生し、人々の主食となった。

 ハイヌウェレ型神話 (2018年6月日7日 (木) 20:51 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』 

日本神話にハイヌウェレ型神話的なお話があることは、中国経由で東南アジアから伝わった可能性があると書かれていますが、どうなんでしょうね。動物の死体が肥料になったというだけの話(何処にでもある)のような気もします。五穀の伝播ルートの問題じゃないかと思います。稲作が中国伝来というのも、崩れつつある説なのも事実ですから。

 

オオゲツヒメの登場は4回

当初7回とか書いたオオゲツヒメの登場回数ですが、今のところ4回しか見つけられませんでした。それも、4回目は別の神ではないかというのが一般的な見解のようです。じゃあ3回? 

徳島県でオオゲツヒメを祭る神社 

  • 上一宮大粟神社(徳島県名西郡神山町)
  • 一宮神社(徳島県徳島市)
  • 阿波井神社(徳島県鳴門市)

この中でも、阿波井神社は船でないと渡れないという、ファンキーな神社です。